ピッチデッキのレビューを依頼されると、スライドのデザインより先に論理の流れを確認します。きれいに作られているのに投資家に刺さらないデッキには、共通した構造的な問題があります。見た目の話ではなく、「何を、どの順番で、どう見せるか」の話です。

1. 市場規模の数字に根拠がない

「TAMは1兆円」と書いてあるスライドをよく見ます。しかし、その数字の出典と、自社がそのうち何%を取れると考えているかの根拠が示されていないことが多いです。投資家は市場規模の絶対値より、「この会社がどのくらいのシェアを、どのくらいの期間で取れるか」に関心があります。TAM・SAM・SOMを分けて、SOMの根拠を具体的に示してください。

2. 競合比較が自社に都合よすぎる

競合比較の表で、自社だけに全部チェックが入っているスライドは、投資家の信頼を下げます。競合の強みを正直に認めたうえで、「それでも自社が勝てる理由」を説明する方が説得力があります。「競合がいない」という主張は、市場がないか、調査が不十分かのどちらかに見えます。

3. 財務計画の前提が書かれていない

3年後の売上予測が書いてあっても、その数字がどんな前提から来ているかが示されていないと、投資家は検証できません。「月次の新規顧客獲得数×平均単価×チャーン率」のような計算式と、その前提値を明示してください。楽観的な数字より、前提が明確な数字の方が信頼されます。

4. チームスライドが経歴の羅列になっている

チームスライドに職歴を並べるだけでは、「なぜこのチームがこの事業をやるのか」が伝わりません。投資家が知りたいのは、「このチームがこの課題を解決できる理由」です。過去の経験と今の事業の関連性を、一文で説明できるように整理してください。

5. 調達額の使途が曖昧

「マーケティングと採用に使います」では不十分です。「エンジニア2名の採用(月次コスト試算:XXX万円)、広告費(月次:XXX万円)、運転資金(XXX ヶ月分)」のように、具体的な使途と金額を示してください。使途が明確なほど、投資家は「この会社はお金の使い方を考えている」と判断します。

ピッチデッキのレビューは、2回のオンラインセッションで¥120,000(税別)から対応しています。まずヒアリングを予約するところから始めてください。